愛犬版Airbnbへの新たな挑戦者「Host Dog」預かりサービスのスタンダードに向けた展望と課題は?

全世界190カ国、34,000都市において200万以上の貸し部屋が登録され、サービス開始からの累計利用者は6,000万人を超えるシェアリングエコノミーを代表するサービス、Airbnb(エアビーアンドビー)。旅行者がインターネットやスマートフォンを通じて世界中のユニークな宿泊施設(1,400以上の「城」も登録されている)を発見・予約でき、宿泊施設を提供する現地の人達からご当地ならではのおもてなしを受けられるサービスとして人気を博しています。

そんなAirbnbの愛犬版ともいえるサービスを提供する企業として、米国では「DogVacay」という企業が旅行中に愛犬を預けたい愛犬家と、地元のシッターとを結びつけるサービスを展開しており、日本でも昨年(2015年)5月に、「DogHuggy」という企業がサービスを開始しており、獣医師を目指していた高校生が立ち上げたことでも注目を集めています。

愛犬版Airbnbへの新たな挑戦者

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日本国内での愛犬版Airbnbへの新たな挑戦者として、「Host Dog(ホストドッグ)」というサービスが正式リリースされました。前述のサービスと同様に旅行や帰省の際に愛犬を預けるためのシッターをオンラインで発見するためのサービスです。

主な特長は、愛犬家にとっては、個別面談による厳しい審査基準をクリアしたシッターさんの自宅で預かるためゲージよりも快適に過ごせることや預け入れ中にはシッターさんより食事と散歩の画像を含む3枚の写真が送られてくること、シッターさんにとっては空いた時間を有効利用できるということ。

ペットが住みやすい社会に日本を変えていきたいと意気込む、「Host Dog」代表の司尾 賢一郎氏へメールでのインタビューを試みたところ快くご回答いただけました。

愛犬への愛で異業種から転身

(編集部)御略歴とサービス立ち上げのきっかけは?

近畿大学工学部機械工学科を卒業後、産業機械の設計に従事し、その後、営業職を経て、今年(2016年)、兵庫県にて株式会社HostDogを創業しました。

私は28年間ペットと共に生活してきました。旅行や帰省の際はいつもペットシッターさんや獣医さんに預けていたのですが、より自宅と近い環境で預けたい!その思いから1つの選択肢として新たな預かりサービスを作ろうとホストドッグを企画しサービスオープンしました。

『INU MAGAZINE』編集部としては、ペットホテル等の従来の預かりサービス事業者の皆さんを否定する考えではなく、多様な形態での健全なサービス提供者の選択肢が拡がることは歓迎したいと考えています。

具体的なサービス内容は?

(編集部)具体的なサービス内容を教えてください。

愛犬家の皆さんへ提供するサービスは、預かりをベースとして、お散歩やお風呂の有無などいくつかのオプションのなかからシッターさんが各々決めることができます。愛犬家さんのご利用料金もシッターさん自身が設定し、弊社ではご利用料金の10〜20%をいただきます。また、資格を有するシッターさんに限ってですが、預かり中のトレーニングやトリミング等の提供も予定しています。

現時点でのシッターさんは関西圏を中心に数十名いらっしゃいます。

提供地域は、関西圏を中心に全国へと広げていきます。

預かりサービスのスタンダードに向けた展望や課題

(編集部)他サービスと比較した優位性を教えてください。

予約の柔軟性が高いこと、将来的にシッターさんの数的優位性があること、料金形態が安いことが挙げられると考えています。愛犬家さんのご利用回数に応じて、サービス利用料を段階的にプライスダウンさせていく予定です。

(編集部)サービスの普及に向けた課題は?

許認可に関する課題があります。弁護士さんに確認したところ、動物取扱業の「預かり」と「貸し出し」の認可が必要との回答をいただいていますが、東京の動物管理局に問い合わせたところ、WEBサービスに対して認可を出した実績はないということです。ただ、現状では会社が拠点を置く兵庫県の動物管理センターからは認可の必要がなく、今後のサービス拡大と合わせて、そのあたりの整備にもご協力してくださるというご回答をいただいています。

まずは愛犬家の皆さんにサービスを知っていただき、ご利用いただくことが重要ですのでこの記事をご覧いただき知っていただくきっかけになると嬉しいです。

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DogVacay」は2014年時点で既に2万名のシッターが登録されており、累計の宿泊日数も100万日に到達しているそうですが、米国と日本との法規制や文化の違い、犬という存在の捉え方の違いから、日本でのサービス普及は米国以上に困難な道のりになることが予想されます。

まず、本家Airbnbが日本では旅館業法との兼ね合いでグレーゾーンなサービスになってしまっているように、動物取扱業者の規制との折り合いをどうつけていくのかという点もクリアにしていく必要があります。新興サービスの場合、従来の法制度が追いつかない部分が出てくることは避けては通れないことなので、司尾氏と兵庫県の動物管理センターのように、企業と行政とがお互いに向き合ってより良いサービスを作っていこうとされている点には期待が持てるのではないでしょうか。

そして何よりも、司尾氏のサービス立ち上げのきっかけにもあるように、愛犬家にとっては預けた愛犬が安全かつ快適に過ごすことができるかどうかという点こそがサービス普及に向けた最大のポイントになることは明らかです。インターネットをはじめとした新しい技術を使って、従来のサービスよりも簡易的にリーズナブルに利用できるという点のみならず、安全性やサービス内容の透明性を向上させるという点に関して深く考えていくことが重要になりそうです。

個人的には、料金が多少高くても、預かりサービスや獣医師さん、トリマーさんといった愛犬と直接関わるサービスについては、愛犬の安全性や快適さが十分に担保される事業者さんを選びたいので、そういった信頼の置けるシッターさんと出会えるサービスになっていただければと思います。読者の皆さんはいかがでしょうか?