ハチ公と共に覚えておきたい。人々から敬愛され、銅像として姿を残す3匹の犬達

日本が誇る忠犬「ハチ公」。帰らぬ主人を待って、約9年もの間渋谷駅で待ち続けた話はあまりに有名ですよね。

渋谷駅前の「ハチ公」の銅像は渋谷のシンボルとして今でも多くの人に親しまれており、昨年はハチ公をイメージした刺繍が施されたスカジャンが大流行したり、先日のゴールデンウィークにはハチ公前広場で45回目を迎える「渋谷パラダイス(通称:シブパラ)」が開催されるなど、渋谷を語る上では欠かせない存在です。

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先日の「シブパラ」ではグラフィティアーティストAZIによる「ハチ公」をモチーフとしたライブペイントも。

そんなハチ公のように人々に愛され、亡くなった後も銅像としてその姿を残した犬達が世界には多くいます。

そんななかでも覚えておきたい3匹の犬達を厳選して、人々が愛するに至ったストーリーと共にご紹介します。

1.14年間ご主人の墓地を守り続けたグレーフライアーズ・ボビー(エジンバラ・スコットランド)

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出典:https://tammytourguide.wordpress.com/2013/10/06/greyfriars-bobby-edinburghs-top-dog/

グレーフライアーズ・ボビーはスコットランドの街、エジンバラに実在したスカイテリア。

スコットランド版ハチ公とも言うべき忠犬として地元で親しまれています。

ボビーの飼い主はエジンバラ市警で夜警を担当していた飼い主のジョン・グレイという人物でした。

二人は共に仕事にでかけ、昼夜を問わず常に生活を共にしていました。

しかし、毎晩の勤務が過酷だったのか、体調を崩したジョンは結核を患い、1858年に亡くなってしまいます。

死後、家族はジョンを市内の墓地に埋葬しますが、ボビーはその場を立ち去ろうとしません。

その年月はなんと14年!

当初、墓地の運営者たちもボビーを立ち去らせようとしましたが、どうしてもその場を離れようとしないボビーに根負けし、墓の横にハウスを用意したほどです。

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ディズニー映画にもなったボビー

出典:http://www.sky.com/tv/movie/greyfriars-bobby-1961

その名声は市内に広まりある奇跡を起こします。

1867年に「登録の無い犬は殺処分される」という条例が出た際、飼い主のいないボビーもその対象でした。

しかし、当時の市長であったウィリアム・チェンバースはボビーの話に感銘を受け、自ら彼に登録許可を与えます。

その後も街の人々に愛されたボビーでしたが、他の人になつくことはなく、1972年に亡くなるまでご主人の墓を守り続けたと言われています。

2.大統領の愛犬として歴史にその姿を残したファラ(ワシントンD.C.・アメリカ)

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出典:http://barkpost.com/world-leaders-their-dogs/

ファラは第32代アメリカ合衆国大統領であり、第2次世界対戦を戦ったフランクリン・ルーズベルト大統領の愛犬。

1940年に生まれたファラは大統領の従妹マーガレットからクリスマスプレゼントとして贈られました。

ルーズベルト大統領とホワイトハウスで暮らし、そして第2次世界対戦という歴史における大きな転換点を共に過ごした犬です。

ルーズベルト大統領とファラ

出典:http://presidentialpetmuseum.com/pets/fala/

1944年の大統領選挙中には、こんなスピーチが残っています。

党員たちは私や妻、子供への中傷だけでは満足しないようだ。その攻撃は私の可愛い愛犬、ファラにまで及ぶようになった。私も、家族も中傷されても構わない。だが、ファラは別だ。

更に、戦時中には後方支援に貢献したとして、陸軍名誉上等兵に任命された他、大統領専用機や専用列車への搭乗、重要な国際会議にまで同行しているというから驚きです。

ファラもまた大統領への忠誠を忘れず、1945年にルーズベルト大統領が亡くなった際には葬儀に立ち会い、大統領の遺体を運ぶ列車を追って走り続けたと言われています。

3.スプートニク2号に乗船、有人宇宙船への道を開いたライカ(モスクワ・ロシア)

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出典:http://www.telegraph.co.uk/travel/destinations/europe/russia/articles/Amazing-facts-about-Russia/

ライカは世界で初めて宇宙船に乗って地球軌道を周回した犬です。

元々野良犬だったライカですが、1957年にソ連がスプートニク2号を打ち上げるにあたり、実験用として選ばれました。

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出典:http://kids.britannica.com/comptons/art-167478/Laika-the-dog-became-the-first-living-creature-sent-into

現在では考えられない話ですが、当時は犬を乗せたロケットの発射実験が繰り返されていました。

それまでにも動物を乗せたロケットの発射は成功していたものの、軌道周回しない、つまり一方向にのみ進むロケットの打ち上げしかできていませんでした。

スプートニク2号は動物を乗せて周回軌道に成功した世界初の宇宙船であり、「有人宇宙船」の可能性を切り開いた歴史的な出来事だったのです。

打ち上げから数時間後にライカは宇宙船の中で亡くなり、最後は宇宙でロケットと共に燃え尽きました。(当初数日生きていたと考えられていましたが、最新の研究ではストレスと熱で数時間で亡くなったと考えられています)

ライカの犠牲は人類の技術進歩に大きな功績として残り、2008年には彼女の死に敬意を表し、モスクワの軍事医学研究所にライカの記念碑が建てられました。

今も彼女は公園を訪問する人々の心に生きています。

参考:HISTORIC UK/Campaign dinner address of Franklin Delano Roosevelt (the Fala speech)/canidae

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