可愛いのは子犬だけじゃない!Twitterで愛される「#秘密結社老犬倶楽部」とは?

人間でも犬でも、生まれて間もない頃の赤ちゃんが持つあのとろけるような目には、私達の気持ちをぐっと引き寄せる不思議な力がありますよね。

あっという間に成長して、少し生意気なところが出てきて…、それは短い間の可愛さだからこそ尚更愛おしいのかもしれません。

でも、年齢を重ねることで生まれる新たな魅力もあります。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんに愛着を感じる方も少なくないでしょう。それは愛犬たちも同じこと。また、長年一緒に暮らすことで、愛犬達はよりかけがえのない存在になっていくものです。

そんな “老犬” にもっとスポットライトを当てようという取り組みがインターネット上で続いているのをご存じですか?

敬老の日である今日、老犬との歩み方についてちょっと思いを馳せてみましょう。

「#秘密結社老犬倶楽部」とは

#秘密結社老犬倶楽部」はその名が示す通り、”老犬”に注目したTwitterのタグ。秘密結社というと何を企てているんだ !?といった感じがしますが、まさに「老犬の素晴らしさ」を世に広めるという “陰謀” のために結成された集団なのです。

この活動はある方のツイートがきっかけとなって広がりました。

このツイートを投稿したアカウント「もも(@momodog22)」の中の人は、“むらかみかづを”さんという方で『ももとじん‐小さな甲斐犬と耳の聴こえない雑種犬』という本の著者でもあります。この本は2頭の犬の9年間に渡る犬生を綴ったものであり、子犬ばかりが注目される今の世の中に一石を投じようという呼び掛けをしたのです。

”老犬”と聞くと何となく “介護” や “人生の終わり” といった暗いイメージを持たれがちですが、むらかみかづを氏にはそこに広がる豊かな生活を多くの人に知ってもらいたいという思いがあったようです。

この呼びかけに対してツイッター上では多くの賛同の声が上がり、あっという間に活動が普及しました。

1年経過しても日々投稿される愛すべき老犬たち

むらかみかづを氏の呼びかけは2015年9月に行われて、ちょうど1年が過ぎましたが、この動きは決して静まる気配がありません。

毎日多くの愛犬家の皆さんが共に暮らす老犬の姿がツイッター上に絶え間なく投稿されています。その数1年間で3万点以上。

https://twitter.com/nero_samurai/status/661395205195563008

風格を感じずにはいられないですね。でも笑顔が可愛いです!

https://twitter.com/inuarukiray01/status/776639969188130816

何かに似ていると思ったら、ちゃんちゃんこ着てこたつに入っているおじいちゃんでした。

家族にとって加齢臭なんてありません!

このように介護で役立つノウハウが共有されていることも珍しくありません。

https://twitter.com/chigasakicanaan/status/775999757235793920

19歳!いくつになっても飼い主さんの前では子どもなのかもしれません。

明るい背景に、気品を感じます。これぞ大人の魅力。

終生飼養の素晴らしさを広めたい

最後に改めて、“むらかみかづを”さんの最初のTweetを。

残念ながらペットショップで可愛い犬を見て衝動的に購入したものの、世話が面倒になったり、若い時の可愛さがなくなったために、犬を捨ててしまうという飼い主が存在します。

そういう人々はきっとこうした最後まで共に暮らし続ける中で得られる貴重な体験を知らないのだと思います。可愛いのは生まれて1年くらいまでと。

でも、もしあなたが愛すべき老犬と共に暮らしていて、その暮らしをツイッターに投稿すれば、もしかしたら捨て犬の減少に少し貢献できるかもしれません。

「こんな暮らしがあったのか」「老犬介護もこんな風に楽しめるのか」そんな前向きな気持ちを一人でも多くの飼い主さんに持ってもらえることで、終生飼養が飼い主の責任としてだけではなくもっと素晴らしいものとして広まることを願ってやみません。

犬を迎える心構え。犬と暮らすということは、命ある「家族の一員」が増えるということ

2016.08.02