「ルール」、それは私たち人間が社会において快適に過ごすために必要なもの。
平常時は私たちを守ってくれることも多いルールですが、時にはルールを守るべきか破るべきかという選択を突きつけられることも。
今回ご紹介するのは、目の前の非常事態にとっさの機転で犬を救ったかっこよすぎる男たち。彼らの勇姿をご堪能あれ!
貨物室にいた犬の体調を気遣い、緊急着陸したパイロット
出典:https://www.thestar.com/
昨年9月テルアビブ(イスラエル)発トロント(カナダ)行のエア・カナダ85便がドイツのフランクフルトに緊急着陸しました。
85便はトロントへ向かう途中、貨物室の暖房設備が故障したために緊急着陸をしたのですが、実はこの着陸の背景には当時のパイロットのある決断がありました。
貨物室なので本来は空調が壊れてもそこまで問題がないのですが、実はその便の貨物室には7歳のフレンチブルドッグの”シンバ”がいたのです。
貨物室の温度調整ができなくなることでシンバの命に係わると危惧したパイロットがフランクフルトへの緊急着陸を決断したのです。
エア・カナダの広報も
「この高度では極めて不快度が高く、そのまま飛行を続ければ生命が脅かされる恐れもある」
とのコメントを出しました。
85便はこの着陸により75分の遅れが出たものの、シンバは他の便に乗り換え、トロントで飼い主のコントロビッチさんと無事に再会することができました。
飛行機の遅延というパイロットにとっても、乗客にとっても最も望ましくない結果であっても、目の前の一つの命のために瞬時に判断を下したこのパイロットの男気にアッパレです!
山火事の避難者らが連れていた犬を客室に。管制官の決断に世界から賞賛の声
出典:http://www.huffingtonpost.ca/
5月にカナダで発生した国内史上最悪と言われた山火事。8万人以上の人が避難を余儀なくされました。
その中にはペットを連れた人々もいましたが、通常ペットを飛行機に載せる場合はケージに入れて、貨物室に格納されます。
しかし当然避難者たちにそうした準備はなく、しかもペットの数も少なくありません。
そんな彼らを救ったのがカナダの企業サンコーエナジー(石油会社)で管制官を務めるケイス・マン氏。
サンコーエナジーは自社の社員が移動するための飛行機を所有しており、マン氏はそのコントロールセンターのマネージャーです。
その日マン氏は会社の宿泊施設から300人以上の避難者が空港にやってくるという連絡を受けました。
全員を速やかに運ぶために、マン氏は他の飛行機会社にも協力を申請、座席の調整を実施、無事これで運べると思ったのですが…。
実際に避難者がやってくると彼はびっくりします。避難者たちはペットを連れているではありませんか。その数100匹。
その風景を見てマン氏は思います。今は例外が必要な時であると。
ペットを連れていけないという理由で、人々に残るという選択をして欲しくなかったんだ。だからペットの輸送に関する規則を曲げることにした。
結果として犬を始めとして多くの動物が飼い主達とともに客室に乗り込み、飛行機は無事離陸することができました。
Plane full of evacuated people, dogs, cats, bunnies, and one tree frog headed from #FortMacFire #Wildfire #westjet pic.twitter.com/Hk0kNMxJPP
— Cas Courcelles (@cascourcelles) 2016年5月6日
乗客からも、そしてネットからも賞賛の声が世界中から寄せられました。
一部ではマン氏をノア(洪水から多くの動物を救った聖書に登場する人物)と呼ぶ声までも。
必要な時にはルールを破ってでも目の前の人々を助けたい、そんな気持ちが実現させた離陸です。
鬼怒川の堤防決壊。救助に向かった自衛隊員は被災者と共に2匹の愛犬も共に救う
出典:http://www.huffingtonpost.ca/
「自衛隊の任務は何か?」という議論が巻き起こったのが、2015年9月に発生した鬼怒川の堤防決壊における自衛隊員の救助。
鬼怒川の氾濫で逃げ場を失った家族が救助される際、一緒にその家庭で飼育されていた犬2匹も救出され、その様子がテレビで中継されました。
一説では「自衛隊の救助対象は日本国民というルールがある」という話がでてきたことから、自衛隊員の行為に対して一部から批判が起きました。
しかし、ルール云々ではなく、家族同然の犬も一緒に救った隊員への賞賛の声が多くあがりました。
また「人命優先」という意味でも、人と犬を同時に助けたことから問題はないという批評がネット上では大半で、もしかしたら隊員は極限の状況の中でどうすればすべての命を救えるのかを考えていたのかもしれません。
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目の前の状況に対して自らの判断でルールを破るというのはとても勇気のいることです。
ルールというほど明文化されていなくても、「一般的にはこうするべき」といった不文律も同様です。
愛すべき犬たちを救うために英断を下した皆さんに改めて賞賛の意を表したいと思います。
参考:thestar.com/HUFF POST ALBERTA/J-CAST
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