世界初!アニコム損保から「LINE(ライン)」を使った保険金請求サービス登場

愛犬と暮らす皆さんにとって何よりも大切なことは、「愛犬の健康」ではないでしょうか。

『INU MAGAZINE(イヌマガジン)』読者の皆さんは、愛犬が健やかに長生きしてくれるように普段から健康管理や食事などにも気を使われていると思いますが、注意をしていても避けられない病気や怪我が発生してしまうこともあります。

そんな時には最大限の治療を愛犬に施したいのが親心。しかし、現在の日本では動物に関する公的な医療保険制度が存在していないため、医療費は人間に比べると高額になりがちです。そこで、近年では民間の企業が運営するペット保険に加入する人々が多くなっています。

そうしたペット保険の提供企業のなかで最大手であるアニコム損害保険株式会社(以下、「アニコム損保」)から、契約者向けに新たな画期的サービスが発表されました。

世界初!「LINE(ライン)」を使った保険金請求サービス

今回発表されたのは、アニコム損保のペット保険に加入している契約者が、スマホアプリのLINE(ライン)」を用いて簡単に保険金請求できるというサービスです。「LINE」は日本国民の50%以上、月間に6,600万人以上が利用する “生活インフラ” と言っても良い存在(※)。多くの人々にとって使い慣れたLINEを用いることによって、契約者の保険金請求にかかる負担を軽減しようというのがアニコム損保の狙いです。LINEを使って契約者からの保険金請求に応えるサービスは世界でも初めての試みだそうです。

※利用者数はLINE株式会社の発表より。ちなみに全世界の利用者数は2億人以上!
使い方はいたって簡単。メニュー画面で「保険金請求」を選んだ後は、契約者がアニコムからの質問に答えていくと保険金請求が完了する流れになっている。診療明細書もLINE内のカメラ機能を使って撮影した画像を送れば良い。これも普段から愛犬の写真を撮ってLINEのやりとりをしているであろう契約者にとっては使い慣れた機能でしょう。画像出典:http://www.anicom-sompo.co.jp

アニコムの考える「使える保険」

今回のサービス開発に携わったアニコム損保の小川 篤志(おがわ あつし)さんによると、アニコム損保がペット保険というサービスを提供する上で大切にしている考え方が「使える保険」であること。

アニコム損保のペット保険が登場するまでは、ペット保険に加入している愛犬が動物病院にかかった際には、診療時にまず全額を支払い、後日、必要な書類を揃えた上で保険会社に保険金の請求を行うという「後日精算」が一般的でした。この方式は契約者にとっての手続き上の負荷が大きく、せっかくペット保険に加入していても、めんどくさくて保険金を請求しないというケースも発生してしまいます。また、後から保険金を請求できるとしても、手術や高度医療を受けるためには一旦は高額な治療費を支払わなければならないことは飼い主にとって大きな負担となります。

そこでアニコム損保が推し進めたのが「窓口精算」という仕組み。日本全国の動物病院と交渉し、人間の健康保険のように動物病院での会計時に保険証を提示し、契約者は負担分のみを支払えば良いという仕組みを確立したのです。

画像出典:http://www.anicom-sompo.co.jp

従来の「後日精算」では、契約者が保険金を受け取るためには、保険会社から保険金請求書を取り寄せ、記入し、封筒に入れ、郵便ポストまで持って行って投函するという手間がかかっていたのに比べると、会計時に保険証を提示するだけで済むという「窓口精算」の手軽さは明らかです。

画像出典:http://www.anicom-sompo.co.jp

「窓口精算」の仕組みによって契約者は簡単にペット保険を使うことができるため、愛犬の体調に気になることがあれば、気軽に動物病院に連れていきやすくなったのです。

「窓口精算」が使えない契約者のために

現在、国内でアニコム損保に対応している動物病院の数は、約6,100病院。それらの動物病院を利用している方々は「窓口精算」の仕組みを利用できるので、普段は今回のLINEを使った保険金請求サービスは必要ありません。

しかし、農林水産省によると動物病院の届け出数は全国で約11,000病院なので、一部の動物病院を利用している方々はアニコム損保と契約していても「窓口精算」の恩恵を受けることができません(とはいえ、届け出のある動物病院が全て営業しているわけではないので、恐らく7〜8割の動物病院はカバーしていそうですが)。

かかりつけの動物病院が「窓口精算」に対応していない場合、契約者が保険金を受け取るためには、従来のペット保険と同じように面倒な手続きを行わなければなりません。普段のかかりつけ医は「窓口精算」に対応していても、旅先などで利用した動物病院が対応していなかったというケースも考えられます。

そこで、「窓口精算」に対応していない動物病院を利用している契約者も簡単に保険金請求できる仕組みとして、LINEを使った今回のサービスが生み出されました。家族や友人とやりとりするような感覚でLINEを利用することにより、実質3分ほど、早ければ1分で保険金請求が完了します。

画像出典:http://www.anicom-sompo.co.jp

アニコムが支払う保険金が増えても良いの?

「窓口精算」の仕組みも、今回のLINEを使った保険金請求サービスも、愛犬と暮らす我々にとっては、もしものときに動物病院を利用しやすくなる非常に便利なサービスです。

しかし、アニコム損保のような保険会社にとっては、保険に契約している人は多くても、保険金を請求してくる人は少ないほうが儲かるのでは?という素朴な疑問が浮かびました。そう考えると、実は従来のペット保険のように “保険金を請求しにくい” ほうが「商売」としては良いのではないかという気さえもしてきます。実際にペット保険を提供する各社の「損害率(※)」を見てみると、多くの企業が30〜40%くらいなのに対してアニコム損保の損害率は約60%という高い数値を示しています(それだけ契約者に対して保険金を支払っているということ)。

※簡単に説明すると、保険料収入に対する支払った保険金の割合を表します。

契約者からの請求が簡単だとアニコム損保が支払わなければならない保険金が増えるので「商売」として成り立たなくなるではないか?、せっかくなのでアニコム損保の小川さんに疑問を投げかけてみたところ、明快な回答が戻ってきました。

2016年4月に発生した熊本地震の際には、レスキューカーと共に被災地へ駆けつけた、獣医師でもあるアニコム損保の小川 篤志(おがわ あつし)さん。※写真は当時のもの。

その回答は、「予防できる病気は予防すべき。少しでも気になることがあれば気軽に動物病院に行っていただくことによって、大きな病気を防ぐことができます。」というもの。つまり、短期的にはアニコム損保が支払う保険金が増えたとしても、結果的には重症化してしまう動物達が減ることによって、飼い主や動物達はもちろん、アニコム損保の「商売」にとっても健全な状態になるという考えなのだそうです。

LINEを使った更なる展開も

今回のLINEを使った保険金請求サービスを第一弾として、今後はLINEを使ったペットの健康相談サービスなど、更なる展開も予定しているそうです。

約100名の優秀な獣医師スタッフが所属し、多くの飼い主と同じように動物達が健やかに長生きしてくれることを願うアニコムならではの新たなサービスに期待が膨らみますね。