チューブに入ったペーストをトレーニングのご褒美に!

文と写真:藤田りか子

みなさん、トレーニングやしつけを入れるときに使う、犬にとっての特上のご褒美って何か用意していますか?スウェーデンではチューブに入ったペーストが「特上ご褒美」として人気です!

カッレス・キャビアに代表されるチューブ食品

スウェーデンにはチューブに入った食品が結構多い。というか、これほどチューブ食品が多い国は世界でも唯一スウェーデンだけかもしれない。その種類も豊富。カラシやケチャップ、マヨネーズ、パンに塗るソフトチーズのペースト、魚のペーストまでも! 日本でも、ワサビのペースト(あるいはカラシ)がビニール製のチューブに入っているが、スウェーデンの場合、いずれのペーストも金属チューブに入って売られているのだ!スウェーデンの名産とも言える「カッレス・キャビア」という、たらこ・ペーストをお土産に日本に持って行くと、よく「歯磨き粉?」と間違えられる(昔歯磨き粉は金属チューブに入って売られていた)。カッレス・キャビアは、北欧独特のオープンサンドイッチ、そしてゆで卵には欠かせないトッピングだ(塩を振りまく代わりに、このペーストを塗る)

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クネッケブレッドのオープンサンドにチューブ入りのたらこペーストをトッピングするのはスウェーデンの典型かも!

カッレス・キャビアのプロモーションビデオ。世界各国に出向いて、カッレスキャビアを食べてもらおうという試み。どの国の人も結局顔をしかめるのだが、「これぞスウェーデンのテイスト!」というのがオチ。スウェーデンではどこにでも売っている人気のペースト食品

チューブトリーツの利点

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ご褒美にチューブのクリームチーズをもらうラッコ。ペロペロと舐めながらその表情はほとんど恍惚状態!
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スウェーデンなら!ワイルドミート(野生動物)テイストのソフトチーズもあり!( http://www.kavli.se/ )

これほどチューブ食品が多いのだから、犬のご褒美にもチューブものを使うという発想は不思議ではなかろう。チューブ食品はスウェーデンのドッグトレーナーの間で人気のアイテム。 さすがにカラシやマヨネーズをご褒美にすることはないが、クリームチーズのペーストならOK!犬はほとんど恍惚したような表情で目を細めペロペロと舐め続けてくれるものだ。特にKavliから出ているソフトチーズ・シリーズはよし。その種類の豊富さが嬉しい!ちなみに、これら製品はすべて人の食用だ。

ソフトチーズは確かに犬の好物ではあるが、トリーツとして選ばれるのはそれだけの理由ではない。チューブ食品には、他のトリーツにはない、チューブならではの良さがある。まず一つは、 ペロペロと舐めながらゆっくりと消費してもらえる点。固形のトリーツなら、レトリーバーのような「食いしん坊」タイプの犬の口にかかれば、噛む時間もなく一飲みされてしまう。チューブの場合、チビチビと出せば犬はそれを丁寧に舐めとる。この舐めて少し時間をかける、というところにチューブをトリーツとして使う美学がある。セカセカとストレスを感じている犬は、集中して舐めることで、落ち着きやすくなる。他の犬に会うとガウガウする問題犬のトレーニングに、チューブ食品をトリーツとして使うトレーナーは多い。他の犬に出会った瞬間(もちろんある程度距離を開けている状態だ)、急いでポケットからチューブを出して舐めさせる。こうして犬を落ち着かせる(同時に「他の犬に出会う=トリーツをもらえる」という連想付けをしている)。

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我が家の冷蔵庫を探ってみただけでも、これだけのチューブ食品が出てきた!上から、ディル風味キャビア(たらこペーストのこと)、カラシ、スベンネス・キャビア(おそらくスウェーデンではカッレス・キャビアについで人気のたらこペースト)、Kavliのソフトチーズシリーズの一つ、エビチーズ味。

もう一つの利点は、常温でもかなり日持ちがいいこと(そもそも売っている時も常温で売られているのだ)。これがもし瓶詰めであったりすれば、空気に触れる率が高くなってしまい、すぐに傷んでしまう。しかしチューブの場合開けても、中に空気が入りにくい。保存がいいという理由で、チューブをトレーニング・ジャケットに常備している人も少なくない(私もその一人だ)。犬がすごく良いことをしてくれた時(例えば猫がいるにもかかわらず呼び戻しの合図に応えてくれた時など)、とっておきのご褒美として与えることができる。

最近では、手作りのペーストを入れられるようプラスチックのチューブ容器が売られるようにもなった。確かに人の食用のペーストでは塩分が高いなど、必ずしも犬に良いわけではない。しかし一度にそんなにたくさん与えるものでもないし、後で水を十分に飲ませれば大丈夫!いろいろな味もある、スーパーで気軽に買える。我々トレーニング仲間の間では、人気のトリーツ・アイテムの一つである。

 

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2016.09.06

ABOUTこの記事をかいた人

藤田りか子

ドッグ・ジャーナリスト。スウェーデン・ヴェルムランド県の森の奥、一軒家にて、カーリーコーテッド・レトリーバーのラッコと住む。人生のほぼ半分スウェーデン暮らし。アメリカ・オレゴン州立大学野生動物学科を経て、スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。 著者に「最新世界の犬種図鑑(誠文堂新光社刊)」など多数。新しい犬雑誌「Terra Canina(テラカニーナ)」編集及び執筆者