アニマルウェルフェア先進国スウェーデンから見た「東京、犬暮らし」[Sponsored by Volvo Car Japan]

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先日お伝えした「東京、犬暮らし」の白石花絵さんによる「クルマと犬が叶えてくれる、大都市東京で自然の息吹を感じる暮らし」はいかがでしたか? 大都会 東京に暮らしながら、都会的な生活と自然豊かな生活を両立する。そんな暮らしを気持ちよく体現している角田ご夫妻と愛犬達のご様子をご覧になった「北欧、犬暮らし」の藤田りか子さんが感想を届けてくれました。

アニマルウェルフェア先進国でありボルボの母国でもある北欧スウェーデンに暮らす藤田りか子さんの目に角田ご夫妻の「東京、犬暮らし」はどのように映ったのでしょうか?


文と写真:藤田りか子

「スウェーデンに住んでいれば、さぞ犬が自然を満喫してアクティブに暮らせているのでしょうね」

とよく言われるのだが、はて、日本に自然ってなかったっけ…?

そんなことはない!ということを角田夫妻はそのカー&ドッグ・ライフで身をもって証明してくださった。

名前のとおり、海が大好きな犬に育ちました。かよ子さん曰く「シオンは異常なくらいに海が好き。名前のせいかしら、ほんとにクレイジー。海に行くと5歳は若返るんですよ」と笑います。

「アウトドアや犬が好きな人にはいいですよ。4WDだから、泥んこ道でもガンガン入れるし、雪遊びもOK。僕らは休日はつねに犬と一緒で、いつも犬と自然の中に遊びに行きたい。そして洗車機にも入れる(笑)。自然や海が好きな人にボルボはいいと思います」

そう、良い車があれば、どこにでも行きたくなるし、どこにでも行ける。家に閉じ込められたままの都会の犬が多いとは聞くが、ジャーマン・ショート・ヘアーのシオンもワイマラナーのイルカも、角田夫妻ともに遠出をしたり、海に出かけたりと 自然に出る楽しさを十分に享受している。 要は飼い主が本気になって犬と暮らしているか否か、に尽きるのだ。探せば日本には自然がたくさんある。そして車があれば、なお、そのチャンスを活かせることができる。

犬の福祉を考える時、この点は非常に大事だ。いつものお散歩道を毎日歩いているだけでは、特に鳥猟犬種のような、エネルギッシュで脳の動きが常に活発な犬たちには、単調すぎる (シオンもイルカも鳥猟犬種だ)。単調はストレスである。猟犬としてブリーディングを受けて今や200年は経っている。 代わりになるアクティビティをもらわねば、心と身体が悲鳴をあげる。彼らにはそれなりのニーズがある。この点を角田夫妻は十分理解され、犬種にあった生活を与えていると言えるだろう。逆に与えられないのなら、少なくとも鳥猟犬のようなタイプの犬を飼ってはいけない。それもまた動物への「倫理」というものだ。

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ジャーマン・ポインターの狩猟トレーニングのシーンから。スウェーデンで撮影。

大きなケージを入れるためには、ラゲッジのスペースが広いことが最重要課題。中型犬や大型犬の多頭飼育者がボルボを選ぶことが多いのは、このラゲッジの広さが重宝されていることも重要なポイントのひとつに違いありません。

スウェーデンには「動物の輸送について」という項目が動物保護法の中に盛り込まれている。そこでは、犬のケージの大きさまでがきちんと定められているのだ。運送ケージはまずその中で犬が自由に体の位置を変えられるほどのサイズであること、ケージの幅は最低でも

  • 「犬の胸幅 cm x 2.5 」の広さがなければならなく、2匹以上の犬であれば、一番胸幅の広い犬の幅をさらに足したもの、
  • 長さは「犬の鼻先から臀部の長さ cm x 1.1」
  • 高さは「犬が立った時の頭頂までの長さ」

という規則がある。かなり細かいのであるが、もし犬が遠出を強いられ長い間ケージにいなければならないとしたら、この規則は犬たちにとっては本当にありがたいのである。そして角田夫妻がラゲッジスペースが広いことを車選びのポイントにしている、というのは多くの犬(特に中、大型犬の)の飼い主が見習う点であろう。

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ボルボ純正のドッグゲートをお試し。車内でしっかりと固定され、万一の急ブレーキや衝突事故の際に愛犬が前方に投げ出されることを防ぐ。これは人間にとっても安全上の大事なポイント。リアゲートを開けた際に愛犬が飛び出してくる事故も防ぐことができる。写真撮影:加藤達彦(「クルマと犬が叶えてくれる、大都市東京で自然の息吹を感じる暮らし」より。)

さらに欲を言えば写真にあるようにボルボの純正ドッグゲートなどを使う方がシオンとイルカにとってはさらなる安全が確保されると思う。ソフトケージを普段使われているようで、これはたとえばドッグショーや競技会の時に使う一時的な犬の滞在場所としては非常に役立つ犬グッズだが、大きな衝突事故などを考えると、頑丈なメタル製(スチールやアルミニウム製)のものが断然お勧めだ。ちなみにスウェーデンにはたくさんのタイプのメタル・ケージが売られており、その選択の幅も非常に広い。車の大きさや用途に合わせてオーダーメードで作ってくれるところもある。

家族の一員である大型犬も、ショールームに受け入れてくれる懐の広さ。動物福祉先進国スウェーデンのボルボならではのおもてなしだと感じます。炎天下に犬だけクルマの中で待たせておくなんてことはできません。

犬がショールームに入れる…この意味では日本のボルボのショールームの方が犬に対して寛容だ!というのも実はスウェーデンでは動物アレルギー者の割合が日本のそれよりもはるかに高いと見え 、公共の屋内で犬の同伴は大抵禁止されている。だからヨーロッパを十把一絡げにすると、それこそパリ症候群ではないが、「なんだ、もっと動物に対して寛容かと思った!」とスウェーデン症候群になってしまうかもしれない。同様に職場のオフィスに犬を連れてくることも、例えばイギリスなどに比べると 一般的ではない。もちろんパブに犬を連れる、だなんてスウェーデンでは犬の飼い主にとって夢のような話だ。ただしホテルについては多くが犬連れOKだ。

では炎天下の時はどうするか?これに関しては、スウェーデンケネルクラブが「犬を車に置き去りにしない」というキャンペーンを毎年行っているほど。一緒にアウトドアを楽しむのでなければ(例えばショッピングモールに行くなど)、家で留守をさせる、犬の保育園、あるいは友人に預ける、など極力犬を連れないようにしているのだ。もっとも、スウェーデンは日本ほど暑くないので、10月から4月ぐらいまではそれほど気にする必要もないのだが。

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角田さんがイルカに会いにスウェーデンを訪れ、若犬のイルカの狩猟トレーニングに参加した。

余談だが、私は実はスウェーデンで角田さん(奥様の方です)とそしてワイマラナーのイルカに会っている。イルカのブリーダーのMさんと私は15年以上前から知り合いなのだが、犬雑誌の取材のためにMさんを訪ねた折、たまたま角田さんがイルカに会いにはるばる日本からいらっしゃっていた。スウェーデン人の犬への考え方、犬との付き合い方、トレーニングの仕方に非常に感銘を受けた、とその時角田さんは話してくれた。MさんもそしてMさんの犬仲間たちも、そんな角田さんの犬へのひたむきな気持ちを理解して、角田さんと意気投合していた。というか角田さんはとても人気者であった。

そう、東京という大都会でも活発な猟犬種を満足させる素晴らしい共生は可能だ!ただし角田夫妻のような「情熱」「根性」「犬への好奇心」も必要だ。


続いて、藤田さんからの感想に対する角田かよ子さんと「東京、犬暮らし」の白石花絵さんからのコメントをご紹介します。

スウェーデンには「動物の輸送について」という項目が動物保護法の中に盛り込まれている。そこでは、犬のケージの大きさまでがきちんと定められているのだ。

【角田さん】飛行機でイルカをスウェーデンから日本へ連れて帰る時も、このルールは最低限守るべき事項でした。ですので、バリケン500(幅約69cm・奥行約102cm・高さ約77cm)を準備しました。それでも ブリーダーのMさんは、もう一回り大きいものにしたそうだったのを覚えています。それと、空輸時にも水が飲めるようにバリケンに給水器も設置する必要がありました。

【白石さん】輸送時のケージのサイズまで動物保護法でしっかり定まっているのは素晴らしいですね。その条件をクリアするラゲッジのクルマを用意する(車庫がもっと問題かも!)には、それだけ経済的や環境的な余裕がないと難しいという縛りが生まれますが、でも動物の福祉のためには縛りも必要なのだと近頃思うようになりました。いま日本ではクルマ以前に、日々の生活空間の最低限のスペースのサイズすら数値化されていないために、パピーミルや繁殖販売業者などを取り締まることができない、もどかしい状態が続いています。だから「縛り」とか「規則」というと、面倒くさく思えてしまうかもしれないけれど、アニマル・ウェルフェアを維持できる日本になるためには、率先して犬の立場から見た快適性や安全性のマニュアルをつくろうという世論になる必要があると感じます。

さらに欲を言えば写真にあるようにボルボの純正ドッグゲートなどを使う方がシオンとイルカにとってはさらなる安全が確保されると思う。

【白石さん】万が一の交通事故の衝撃から犬を保護するメタル・ケージがポピュラーに市販されているというのは本当に羨ましいです。実は以前、私も自分のクルマ用に日本で探したんですけど、ちょうど良いサイズのものを見つけられませんでした。さすがスウェーデン、ヒトにもイヌにも安全確保はぬかりないですね。

【角田さん】確かにソフトクレートは安全性には全くもって欠けていますね。今後改善していかなければならないと反省です。ショールームで見せていただいたボルボの純正ゲートは、確かに大きさも充分で安全性はもちろんのこと車内の広さをより無駄なく使える メリットもありそうです。夏のSUP(スタンドアップパドルサーフィン)や冬のスノーシューに出かけるときにもたっくさんの遊び道具が積めるのは嬉しいですね。 ところで、うちにはシオンとイルカ、2頭の犬がいるので、このゲート、幅を変えたり左右につけたりってことは可能なのか、今度ショールームで要確認です!

【編集部補足】幅を変えることはできませんが、左右につけることは可能です。

犬がショールームに入れる…この意味では日本のボルボのショールームの方が犬に対して寛容だ!というのも実はスウェーデンでは動物アレルギー者の割合が日本のそれよりもはるかに高いと見え 、公共の屋内で犬の同伴は大抵禁止されている。

【角田さん】とても意外でした!スウェーデンからフィンランドへ行く客船(かなり豪華な客船だったという記憶)でも、犬は厨房以外は全て入ることができました。キャビン(客室)はもちろんですが、紳士淑女が着飾って踊っているダンスホールも犬と一緒に入ることができましたし、その客船のデッキには犬のトイレも何箇所も設置されていたので、もっと気軽に犬を連れてどこへでも(もちろん公共施設も)行けるものだと思っていました。

【白石さん】びっくりしました、スウェーデンではボルボ・ショールームにも職場にもパブにも犬連れNGなんですか!すでに私がスウェーデン症候群を発症しつつありました…。スウェーデンは犬のトレーニングに厳しいとは聞いてはいましたが……棲み分けががっちりされている面もあるんですね。職場はともかくパブくらいてっきりOKかと思っていましたっ(汗)。そういう意味では、日本のボルボは寛容なんですね(ステキ♪)。それに東京ではテラスはもちろん店内でも犬OKのレストランも増えてきましたよ。なんだかそう思うと、日本も全部が全部ダメな動物後進国ではないのかもしれないと勇気がわいてきました。ボルボの世田谷店で完全に寝っ転がってリラックスしていたシオンとイルカの姿を思い出せば、日本もまんざらではないと思えてきます。

その国ごとの、国民性や文化、気候などいろいろなことが混ざり合い、それぞれの国の風土にあったアニマル・ウェルフェアが実現できればいいなぁと願います。まあ、犬にとってのウェルフェアは、どこの国であっても共通項目なので、そこは満たしつつ、でないといけないですが。

とはいえ、愛犬に全力で向き合う、「情熱」「根性」「犬への好奇心」を備えた角田夫妻のような家族は、20年前、10年前の日本に比べて、少しずつではありますが確実に増えています。東洋の小さな島国の、住宅密集地のメトロポリスTOKYOであっても、運動欲求・ 知的欲求の高い犬たちを満足させる共生ができているじゃん、と動物福祉の先輩諸国から仲間に入れてもらえるよう、よき情報交換をこれからもよろしくお願いします。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

藤田りか子

ドッグ・ジャーナリスト。スウェーデン・ヴェルムランド県の森の奥、一軒家にて、カーリーコーテッド・レトリーバーのラッコと住む。人生のほぼ半分スウェーデン暮らし。アメリカ・オレゴン州立大学野生動物学科を経て、スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。 著者に「最新世界の犬種図鑑(誠文堂新光社刊)」など多数。新しい犬雑誌「Terra Canina(テラカニーナ)」編集及び執筆者