日本のペットマーケットで育った洗練されたドッグアパレルやグッズブランド、美容ブランドやグルーマー達が集まり、「愛犬と愛犬家とのより豊かな暮らし」の実現を目指す “Dog Fashion & Beauty Week” 。
そんな “Dog Fashion & Beauty Week” のキーパーソン達のストーリーを紡ぐインタビュー企画「KEYPERSON’S STORY」。
今回は、株式会社ドリーム産業代表の金田 崇司(かねだ たかし)さんのストーリーをお聞きしました。もしかすると、その社名はペット業界にいらっしゃらない方には馴染みがないかもしれませんが、ペット用ドライヤーに代表されるトリミング用品を扱う老舗メーカーさんです。「第6回Interpets(インターペット)~人とペットの豊かな暮らしフェア ~」で開催される「10分で可愛く変身!カリスマトリマーによるワンポイントビューティ」や子ども達によるトリミング体験イベント「未来トリマー」へも、トリミングテーブルなどの商品をご提供いただいている、まさに縁の下の力持ちな存在です。
※インタビュー全編はこちらから御覧ください
株式会社ドリーム産業の歩みについて
(編集部)ドリーム産業さんの会社について教えてください。
弊社はですね、ペットの美容器具を専門に扱うメーカーで、もうまもなく50年近くになるんですが、設計・企画から、製造・販売までを一貫でさせていただいてる会社です。
僕は2代目になるんですが、元々はペットショップもしてまして、ブリーディングとか繁殖とかもしてたんですね。
先代がペット好きで、時代的には番犬として外犬が多かったので、全く今のペットという環境ではないんですけども、その中で僕は小さい頃からワンちゃんネコちゃんとふれあうような環境でずっと育ってきて。
今のペットって海外のワンちゃんが多いんですけど、その頃は和犬。柴犬であったり、紀州、北海道、秋田とかああいった感じですよね。ああいった犬の場合トリミング自体あまり必要としないんですよ。それが先代の親父が「これからはトリミングだ、ペットの時代だ」と。
その中で大きく変わったのは、洋犬ということなんですね。
それでトリミングというものが必要になって、その頃、日本にはトリミングがないから当然その(必要な)物もないと。
私の親父は今のペットと、業界的にはショードッグという部門があるんですけども、元々ショードッグの審査員をやったりとか、ジャパンケンネルクラブ(JKC)というのが今あるんですけども、そういったものが元々なくて、それを立ち上げの頃に(関わらせていただいた)っていうようなそんな時代ですね。
二代目だからこその継承と挑戦
(編集部)小さな頃から、会社を継がれようと思っていたのですか?
ペットと共に育ってきた。僕自身は生まれてその中で育ってきた。(だからこそ、)小さい頃から薄々と継ぐもんだなという気もしてました。
だけど、僕大学の時にですね、親父から継ぎなさいと言われたこともなかったんです。(それでもやはり、)自分の中で薄々継ぐんだろうなと思ってました。
そういう中で、僕が社長として思うことなんですけども、薄々継ぐんではなく、それを受けて継がせてもらうんだとすれば、自分が何を引き継いで、何を新たにしていくべきかということを自分なりに考えて。
今、海外犬のこともひとつありますが、それ以外にも違いがいろいろあります。
ペットの環境っていうことも(違いが)ありますし、その環境に対しても自分なりに考えて、何かお手伝いできたらなあってことを思いながら。
それが新たに変化させること、そう思いながら現在に至ってます。
これから自身が “実現したいこと” とは?
(編集部)金田さんがこれから実現していきたいことは、どういったことですか?
トリマーさんという職業が、なりたいなという職業で、ちゃんとご飯が食べられて、皆の憧れになるような職業になってもらいたいなと。
そのために、何かお手伝いしたい。
もう一つは、ペットが日本にたくさんいてくれるから、トリマーさんの仕事も増えていくわけで、ペットがなんとか増えていくお手伝いできないかなと。
いずれにしてもこの2つ、想いとしてあるんですけども、直接的にドリーム産業が何できるってことはないんですけども、その想いのもとで、自分の行動として何かないのかなと。
そうした時に、「ペットが飼いたいんだけどな」って思っておられる方が、実際に飼うという行動を起こしてもらえる、その中ではほんとにペットに癒されるというのも一つでしょうし、ペットが飼いたいんだけど飼いにくい環境にある、集合住宅であるとかそういった部分もまだまだあると思う。
そういったところだったら、ペットをちゃんと飼える環境を整備する、もしくは「ペットって結構飼いにくいんじゃないの?」って言った場合に、そのペット自身、飼い方っていうのは命あるもので、思いの中でしていくべきだと思うんですけど、その「飼いにくさ」っていうのはその方にとって何なんだろうっていうお困りごと、一歩踏み込めない何かを解決する糸口をっていうことならばお手伝い出来るんじゃないかなと。
そういう風に考えて、自分なりにそこに結びつくような行動をさせていただこうかなと思ってます。
日本と海外の懸け橋となる、新たな挑戦
(編集部)海外への展開も積極的に進めていこうとされているとか?
僕自身もペット業界の中で成長させていただいて、ペット業界が成長から成熟に至るにあたって、ここから何か一つ、新たなものを進みたいなと。
我が社においても考えなきゃという中で、私自身が海外っていうものをきちっと知りたいなあということを思いまして、海外に行くようになりました。
その中で新たなものを見たり、それをそのまま日本に持ってきて、使える使えないもあるんですけども、そのヒントから日本オリジナルのペット文化がありますから、そこに合う商品の開発が始まったりしてるのが今なんですけども。
カット自身でいうと、最近特に思うのが、日本のペットという位置づけが、おもちゃのようにかわいいというのが海外から見てもそうみたいなんですね。
ここ最近僕も海外に行って、いろんなトリマーさん、世界共通語で言うとグルーマーさんですけれども、日本のトリマーさんの仲間がいるんですけれども、その仲間たちが、日本オリジナルのかわいらしいカットをするんですね。
そのカットがすごく向こうでウケる。じゃあ反対に、向こうに必要とされる、向こうでおもしろいなあと言われるならば、それを伝えようよということで、最近ジャパニーズスタイル、“KAWAII” という題目でね、海外にカットスタイルを伝えていくという活動を最近やらせていただいてます。
コトを興し、モノを結ぶ
今はモノはあふれてます。
ただ、いらないモノもあるだろうという中で、コトを興した中に、そこに必要とされるモノであれば、間違いなくそのモノはトリマーさんにとっていいモノだなってことになるんですね。
それは国内外問わずその考え方は正しいと思うんですね。
日本のいいモノを伝えて、反対に海外のいいモノも日本に伝えると。こういった役割をできたらいいなと。
その中で、私どももメーカーですから、新たな商品が生まれていくのが理想じゃないかなっていう風に考えてます。
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日本のペット業界を黎明期から支えてきたドリーム産業。その二代目として、伝統を継承しながらも新たな挑戦を続ける金田氏。
お話のなかで、自社を育ててくれた「トリマー」、そして「ペット」への感謝を繰り返し言葉にされていました。
そして今、活動の幅を日本から海外へと広げることで、トリマーという職業ひいてはペットを飼う環境そのものを向上させていきたいという強い思いを感じました。
そんな金田氏もサポートする “Dog Fashion & Beauty Week” をぜひチェックしてみてください。