【インタビュー】トリミングサロン「TAROIMO for PRIVATE」オーナートリマー 山本晃子｜KEYPERSON’S STORY

愛犬の名前から生まれた横浜の超人気サロン
「Dogサロン タロイモ」&「TAROIMO for PRIVATE」。

こちらではトリミングだけでなくブリーディングも行い、愛犬の一生をトータルサポートしてくれるお店として全国各地の方々から愛されています。

そんな人気サロンのオーナートリマー、山本晃子さん。

トリマー、サロンオーナー、ブリーダーという3つの顔を持ち、国内外のドッグショーにも出場されるというバイタリティ溢れる方ですが、素顔はとても穏やかな女性でした。

人、犬、トリマー業界を「拡大し、育てる」プロフェッショナルである山本さんの世界観を お伺いしました。

トリマー兼ブリーダーになった理由とは

物心つくころから、犬に限らず、鳥も、虫も、とにかくあらゆる生き物が大好きなんです。

気づいたときには動物と一緒にいました。 幼い頃は団地住まいだったので、犬は飼わせてもらえなかったので、だから縁日で買ってき たハツカネズミとか、メダカとか、ジュウシマツとか、団地で飼える動物はほぼ網羅しました。きちんとお世話をしたらどんどん増えていって…。家のベランダが鳥かごだらけでしたよ。

（編集部）すごいですね。 親御さんは許してくれたんですか？

はい、「どうせ子供の言うことだからすぐに飽きるだろう」と思っていたみたいです。 そしたら私がきちんと世話をするものだから、最終的には見守っていてくれました。

小学生の頃などはお友達が習い事に行く中、私はずっと動物の世話をしていましたね。お小遣いも動物の参考書や道具代に全部費やして、どうやったら増えるんだろうっていうことを 常に勉強していました。
それが今は犬に変わっただけ、という感じですね。

現在はブリーディングしてたくさんの犬に囲まれて生活しているのですが、私にとっては自然体で当たり前、という感覚なんです。やっぱり動物が好きなんでしょうね。

ブリーダーになると決めていた学生時代

（編集部）ブリーダーになることを意識して犬を飼い始めたのですか？

はい、ブリーダーになるつもりで犬を飼いました。 トリミングの学校で練習相手になってくれていたトイプードルを譲っていただいたのがはじまりです。

ただ、犬種には「こうあるべきだ」という”スタンダード”の概念があって、うちの子はスタ ンダードとはちょっと離れていたんだって後から知ったんです。

”スタンダード”を突き詰めていくと奥が深く、もっとスタンダードに近いワンちゃんをさわってトリミングした時に感じた違いに面白さを感じましたね。「もっと繁殖して、もっとい ろんな犬をさわってみたい。」って思いましたよ。

その頃にトリミングサロンを経営することに加えて、ブリーダーをすることも視野に入れま した。

ドッグショーとプードルに魅せられて

（編集部）なぜ、ドッグショーに魅力を感じたのですか?

ショードッグ、というよりプードルに魅せられてしまったんです。 リンクに立つプードルが本当に美しくて。

ショードッグの世界はとても奥深く、日頃の食生活、トレーニングなどからいかに綺麗に美しく見せる犬を作れるのかということに皆さんが命をかけているんです。

普段は無邪気に遊んだり、甘えたりと普通のワンちゃんと変わらないのに、ひとたびショーのリンクに立つとピシッと凛々しい姿を見せてくれる。 そんなギャップがたまらなく好きなんですよ。

ショードッグに限らない、トリマーに必要な視点とは?

（編集部）ショードッグって、やはり特別な存在なのでしょうか

ショードッグ、というと敷居が高いように感じる方も多いようですが、ペットで飼われているワンちゃんと共通する部分はたくさんあると思っています。 トリミングの視点で言えば、いかにリラックスしてテーブルに立たせるかで、カットのラインが全然違ってきてしまうんです。これにはショードッグもペットのワンちゃんも変わりませ ん。

話せないワンちゃんとどう向き合うのか、いかにリラックスしてサロンで過ごしてもらえる かということを、我々トリマーは常に考えるべきだと思っています。

国内・国外のドッグショーへの出場

（編集部）ドッグショーにも出場されているんですよね。 印象に残っているドッグショーはありますか？

2つありますね。初めてのドッグショーデビューと、アメリカで行われたプードルだけのドッグショーで入賞したことです。

初めてのドッグショーでは、私が緊張してしまって…犬にも緊張感が伝わってしまったんですよね。一歩も歩いてくれませんでした。 それがバネになった部分もありますね。そこから一つずつ課題を見つけてはクリアを繰り返していきました。

アメリカで行われた「PCA」というプードル限定のドッグショーでは、愛犬との日々の積み重ねが実った瞬間でした。私一人ではなくて、犬と一緒に達成感を味わえる喜びというのは 何者にも代え難い経験でしたね。

サロンオーナーとして、ブリーダーとしての未来

私はトリマーであり、サロンオーナーでもあるので、特に女性スタッフが末長く働きやすいお店にしたいと思っています。 女性は結婚、出産など人生の転機があります。せっかくトリマーとしての才能あふれる存在なのに転機をきっかけにして離れてしまう方が多いので、「トリマー」を一生の仕事にできるような環境を作り、才能を存分に発揮してもらいたいですね。

実は、「TAROIMO for PRIVATE」を作ったことが目標への第一歩なんです。 広くてしっかりした休憩室を作ったり、主婦のパートトリマーを積極的に採用したり、一つずつ実現させていこうと変えていってます。

ブリーダーとしては、自分の作った犬を日本だけでなく世界の方々に見ていただいて、評価してもらいたいです。良い評価をいただけるように、トリマーとしても、ブリーダーとして も、日々勉強していかねばならないなと強く思っています。

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「増やし、育む」ということが山本さんの自然体。 山本さんから伝わってくるのは「スタッフや犬を活躍させたい！」という強い思いでした。

ブリーディング、ドッグショーでは犬が主役。 店舗ではスタッフが主役。

自分が裏方に回り、いかに皆が成長できるか、育っていくかということを追求し全身全霊を 込めていることが伝わってきます。

立派に育ち、才能を発揮する姿をみて目を細める山本さんからは、 母のような偉大さを感じる。そんな”カリスマ”でした。