【インタビュー】株式会社CIRCUS代表 綾部佐和子|KEYPERSON’S STORY

日本のペットマーケットで育った洗練されたドッグアパレルやグッズブランド、美容ブランドやグルーマー達が集まり、「愛犬と愛犬家とのより豊かな暮らし」の実現を目指す “Dog Fashion & Beauty Week” 。

そんな “Dog Fashion & Beauty Week” のキーパーソン達のストーリーを紡ぐインタビュー企画「KEYPERSON’S STORY」。

今回は、株式会社CIRCUS(サーカス)代表の綾部佐和子さんにお話を伺いました。

アパレル業界出身という背景を活かし、デザイン性に優れた数々の人気プロダクトを生み出し続ける綾部さん。そのストーリーとは?


株式会社CIRCUSのドッグウェアブランドについて

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(編集部)まず最初に会社やブランドについて教えてください。

「Circus Circus」と「Apple Apple」という2つが代表ブランドなんですが、「Circus Circus」の方は、おしゃれオーナー様向けの、人間のレディースのお洋服を取り入れたデザインで、お揃いで着られるような雰囲気で、「Apple Apple」の方は、ポップでキュートな、フリフリとかが好きなオーナー様向けに作らせていただいています。

(全部で)「Circus Circus」「Apple Apple」「Suger Berry」「marmer.B」という4ブランドで展開しています。

ドッグウェアブランドを手がけることとなった、意外なきっかけ

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(編集部)ドッグウェアブランドを始められたきっかけは?

15年くらい前に、ちょうどアイフルのチワワのくぅ〜ちゃんがCMで大人気の時に、チワワが欲しいって思いまして、クリームのチワワを飼いました。

そこのペットショップのオーナー様から、ワンちゃんのお洋服を作れませんかっていうお話をいただいて、そこでまずOEMから始めたっていうのがきっかけです。

(編集部)まだその頃は、小型犬のドッグウェアはあまりなかったのではないですか?

そうですね。チワワっていうと1kgくらいの本当に小さいワンちゃんで、まだまだ小さいお洋服っていうのがなかなか無かったです。

今ではもうどこにでも、ベイビー服もあるくらいなのですが、その当時はまだチワワが着られるっていうお洋服はあまりなかったですね。

当時アパレルの仕事をしてましたので、レディースの服の。そこの工場さんにお願いして始めたって感じなんですけど、やっていくうちに、だんだんと自分のチワワに着せたいって思うお洋服のデザインをどんどんどんどん描くようになって、そこでブランドを前の会社の時に立ち上げさせてもらったって感じですね。

自身のブランドのこだわりとは

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(編集部)ご自身のブランドのこだわりを教えてください。

まずは”着せやすさ”ですね。

着せやすさはやはり一番だと思うんですけど、そこでやはりお洋服を着せて、かわいく見えるかっていう(所です)。

オーナー様とのお出かけする時に、少しでも楽しくかわいく着てもらって、お出かけできるお手伝いをできたらと思っています。

(編集部)”着せやすさ”の実現には、やはり素材やパターンにもこだわられている?

素材があってのパターンだと思いますね。

素材がちょっと伸びにくい素材でしたら、やはりパターンをもうちょっと立体にしなきゃいけないとか、胴回りをもう少し広げたパターンを作らなきゃいけないとか、そういうのがありますので。

ドッグウェアをつくるうえで、大切にしていること

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(編集部)どういうことを大切にしてドッグウェアを作られていますか?

やはり日々生活していく上で、自分の子にお洋服を着せた時に、もうちょっとこういうかわいいアイテムが欲しいなとか、もうちょっとこういう新しい形があればもっとかわいく着やすくできるんじゃないかなとか、自分のワンちゃんに着せて思ったりはしますね。

あとは、うちのスタッフ犬が着てくれてるところを見て、日々新しいものを作っていくことですかね。

もう一点。お客様がいてのお洋服だったり商売なので、良いものや可愛いもの、もっと手の込んだものを作ると、やはり変な話ですが原価は高くなります。

ただ、(巷に)こんなに犬服が溢れてる状態で、(本当は)その金額を付けたいんですけど、高けりゃいいってもんじゃないので、”お客様がいかに買いやすい価格か”というところから考えたりしますね。すべてデザインも。

大体これくらいの価格で、この絵型のお洋服だったらいくらで売れるのかってところから始まって、じゃあここのフリルは、たとえば5段のところを2段にしたらコストがもうちょっと安くなるか・・とか。

だけど”かわいさ”は変えずにいかに表現できるかっていうのを、(それを)ポリシーって言うのかは分からないですけど、それを大切にして今も商売はやってますね。自分がこの服をこの金額で買えるか、買うかっていうところから、私はけっこう決めますね。

自身のブランドのシグネチャーアイテムとは

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(編集部)シグネチャーアイテムをご紹介ください。

「Circus Circus」の”インナーワンピース”ですね。

1枚でもかわいく着れますし、上にニットとか冬とかは重ねて来ていただいても下にスカートが出るっていうお洋服なんです。

そちらがすごくフリルの開き具合が1段から4段まであるんですけど、全部違うチュールの素材にして、ワンちゃんに着ていただいた時にかわいく見えるフリル感っていうのがポイントになっています。

(一見)見た感じは普通なんですけど、フリルの倍率とかを全部変えています。

自身が考えるブランドの未来のかたちとは

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(編集部)ブランドとしての夢や目標を教えてください。

弊社はアンテナショップがございませんので、イベントに出させていただくと直接お客様のお声をお伺いすることが多いので、その時に「このお洋服はこうだった」とか、「着心地がこうだった」とか、「もうちょっとここをこうして欲しかった」とか、そういういろんなお声をいただいたりします。

あとは、今度はこういうお洋服を作って欲しいとか、そういうお声がすごく勉強になりますし、今後の商品展開にもプラスさせていただくことがあります。

(愛犬が)15、6年しか生きられない中で、うちの子もそうなんですけど、やっぱりいいフードをあげたい、一日でも多く生きてもらいたいっていうのがありますので、弊社の商品もちょっとでもかわいくしてもらえるお手伝いをできたらなって。命が続く限り。

そして、また新しい子を迎えたときに、新しい子のお洋服をご案内できるっていうのを繰り返しやっていけたらなって思います。

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飼い主の目線でのものづくりを大切にし、愛犬と飼い主が本当に喜ぶプロダクトを生み出し続ける綾部さん。

自身の愛犬との出会いから、ドッグウェアの最先端を走る綾部さんのブランドは、今やファッションに敏感な愛犬家に欠かせないブランドとなっているようです。

限りある愛犬との生活を、ファッションという切り口でお手伝いしたいと話してくれた綾部さん。この先も流行の最先端をドッグウェアとして形にし、愛犬家の笑顔もつくっていってくれるのだと思います。

第6回Interpetsでは、”Dog Fashion & Beauty Week” ゾーン内にブースを構え、様々な商品を展示されるとのことです。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?