“PEACE LIFE PEACE PET” が新しく登場! ジャパン キャンピングカーショー 2017

文と写真:白石花絵(しらいし・かえ)

毎年2月恒例、クルマ好きはもちろんのこと、犬好き、旅好きの人にとって夢のイベント、「ジャパンキャンピングカーショー 2017」が幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催しています。2月2日(木)〜5日(日)までです。

初日の午前中はプレスのみ。それなのに都外ナンバーのキャンピングカーがいっぱい。全国にこのイベントのファンはいるんですね

私も、このアジア最大級のキャンピングカーショー、以前から行ってみたかったんです。アウトドア大好きですもの。空が白み始めた頃、野鳥のさえずりが聞こえてくるキャンプは最高。しかし寄る年波に勝てなくなりつつあり(悲し)、テントがだんだんしんどくなるお年頃。でも、犬の方は、元気溌剌で、自然の中でのびのびと走り、落ち葉のニオイを嗅ぎまわり、小川でバシャバシャしたりと、とにかくそういうのが大好きなんですよ。自然の中では表情が違います。顔が生き生きしてて、しっぽフリフリ、チョーハッピーそうなのです。やっぱりキャンピングカーや車中泊ができるクルマは、アウトドア好きの犬を飼っている人にとって憧れです。

レジャー用だけでなく、有事には個人用被災シェルターに

でも、キャンピングカーなんて買える身分じゃないし……と思い、行くほどじゃないかなーと思っておりましたが、毎年のこのイベントに行っているイタリアン・グレーハウンドと暮らす友人が力強く言いました。「夢を見に行くのよ!!」と。なるほどー。そうね、そうよねっ。

おおおおーっ。キャンピングカーだーー。テンションあがる!

さらに「昔のキャンピングカーといえば、大きいのばかりで、(道幅や駐車場の広い)田舎しか走れないじゃん! みたいなのばかりだったけれど、今は普通のワンボックスが主流になってきたから、ほんと楽しい。犬仕様も出てきて、車中泊派のわが家としては本当に参考になる」とのこと。そうか、そうなのか。2000万円以上もする、まるでホテルのようなゴージャスな内装、流行りのグランピングのようにシャンパン片手に乾杯〜♪という夢物語もいいけれど(夢だって見てみたい)、ちゃんと実用的なクルマも多くなっています。そういえば軽自動車を改造した可愛らしいキャンピングカーも近頃中央道などでよく見るようになりました。実際、いまキャンピングカー市場は好調で、年々市場規模が大きくなっているとのこと。私のまわりでも、いつのまにかちゃっかりキャンピングカーを買った家庭がいくつもある。たしかに増えている予感がします。

後援のPeace winds JAPANのブース。その奥のキャンピングカーもコンパクトで可愛い

それは、レジャーとしてだけでなく、犬飼いとしては避けては通れない心配事である、震災時における犬猫との同行避難のことが関係しているのかもしれません。昔に比べると同行避難への理解は増えていると思いますが、それも自治体により取り組みに温度差があります。万が一、自分の家が被災したとき、愛犬を守ることができるのか、一緒に避難生活を送ることができるのか……。きっと多くの愛犬家が同じことを考え始めています。

「防災、旅、暮らし。ペットとの生活をもっと豊かにするヒントを伝えたい」

このキャンピングカーショー、昨年は61,000人の来場者があり、その6割がペットを飼っている人だったそうです。そして約3000頭の犬が一緒に来場しました。家族同様に一緒に旅行に行き、もしものときも一緒にいる。そう願う人が増えているのなら、素晴らしいことだと思います。

いまは犬OKのレンタル・キャンピングカーがあるんだって!!しかも意外とお手頃価格。お試ししたい!

このように、防災対策としてのニーズも高まり、意外やキャンピングカーと犬は、親和性の高い、関係のあるものでした。それで今回「PEACE LIFE PEACE PET」という犬猫に関する新しい企画が始動しました。

「PEACE LIFE PEACE PET」ゾーン実施の理由は、単なる集客施策や来場者サービスということではなく、「殺処分など、不幸な犬猫を少しでも減らしたい」「幸せなペットライフを多くの人に知ってもらいたい」「防災、旅、暮らし。ペットとの生活をもっと豊かにするヒントを伝えたい」

協力したDo One GoodはHPの中でその企画趣旨を語っています。

愛犬同伴の人は第4ホールを目指そう

本当にその想いがそのまま幕張メッセの第4ホールで形になっていました。なにしろ「PEACE LIFE PEACE PET」のために、昨年よりホールがひとつ追加されました。本気度が伝わります。愛犬連れで行く人は、第4ホールのゲートを目指して行ってください。でも犬の入場口は第4ゲートですが、入ってしまえば、第1〜3ホールも自由に行き来できますから、キャンピングカーもばっちり見ることができます。

保護犬譲渡会や保護猫トレーラーハウスも登場!

「PEACE LIFE PEACE PET」ゾーンでは、複数の動物福祉団体が集まり、保護犬譲渡会を行ったり、自分の団体の広報活動をしたり、「保護猫トレーラーハウス」も設置されたりしました。トレーラーハウスの中は、まるで誰かのおうちのリビングみたい! 猫にも個体差があって、環境適応能力の高い、のんびりおっとりした性格の猫もいるので、そういう環境変化に動じないタイプの猫たちを連れてきています。今まで保護猫のことなど知らなかった来場者に、保護猫の存在を知ってもらうことが最初の目的。クルマのイベントなのに、あえてこのような活動をするというのは新しい挑戦です。

保護猫トレーラーハウス。冷暖房完備。二重扉付き。猫の数より猫ベッドの数が多い。床材を張り、壁にも布を張り、そしてカーテンも

ただ営利目的の猫カフェと勘違いしないでください。「おさわり厳禁」ですよ。ただし、猫の方からグルグルと喉を鳴らしてやってきて「撫でて」というなら、撫でてあげてもスタッフがいいよと言ってくれると思います。スタッフは、猫が脱走しないよう、また猫にストレスがかからないよう常駐で細心の注意をしています。このイベント期間中は、関係者は寝袋(布団?)持参でトレーラーハウスの中で24時間猫たちを見守っているそうです。毎日、猫を違う場所から出勤させたら、さすがに動じないタイプの猫でもストレス過多になる可能性がありますから。陰ながらいろいろな努力をされていることが、話しのはしばしから伝わってきます。大変だなぁ、前例のないことをやるってことは。でもその苦労があってこそ、アニマル・ウェルウェアの気持ちが、日本に染み渡っていくのだなぁと感じます。

ピースワンコ・プロジェクトリーダーの大西純子さんと相棒ハルク、み〜つけた! うちのメル、一緒に記念撮影してもらった♪
各団体によるグッズ販売あり。ボーダーコリーレスキューネットワークの代表の職業は、北海道の漁師の網元! 姫タラや鮭のおやつを買って応援だ!

愛犬と一緒に旅しよう。幸せな妄想が膨らむ

そのほか第4ホールでは、災害救助犬ハルクが登場したり、ペット関連グッズのメーカー、車中泊関連の本の出版社(会期中は20%OFF!)、愛犬ウェルカムの宿泊施設、そして有名な「フェリーさんふらわあ」なども出展。今年の5月から、首都圏(大洗・水戸)〜北海道航路で、新造船が就航予定で、新しい船にはペットと一緒に過ごせる個室客室ができるそうです。キャンピングカーに乗って、途中から船旅、そしてまたキャンピングカーに乗って、遠くへ、愛犬とともにどこまでも。ああ、妄想が膨らみます。普通のドッグ・イベントとはちょっと違う雰囲気のメーカーが出展しているので、それも見応えがあります。

たまたまメル愛用のアルファアイコンのブースあり。小型犬用は嘘みたいに小さくて愛らしい

犬・猫・クルマ・旅が好きなら、絶対に楽しいイベントです。事前エントリーで人間の入場料は無料になりますから、公式サイトのチェックをお忘れなく。犬は1頭500円。2頭だと1000円。でも3頭目からはお値段据え置きで、それ以上はかかりません。この入場料はペットケア費ということで、トイレの設置などに使われるのでしょう。犬を同伴する際は、指定のトイレ以外でさせない、ウンチは持って帰る(お手洗いやゴミ箱に捨てない)などのマナーを守って、愛犬家みんなでこのイベントを成功させるようにしたいですね。

そうは言っても万が一、粗相をしたときのために、場内の床はコンクリートなので、ペットシーツやウェットティッシュ、消毒スプレーなどを念のため持参しておくとさらにいいかなと思いました。それとクルマ見学やお喋りに夢中になりすぎず、たまには場外にでて、犬に息抜きをさせることも必要かと思います。

ちなみに、愛犬同伴で、犬の入場料を払った人に耳よりなお知らせ。保護犬コーナーの本部(というか保護犬コーナーに行って誰かに聞けばわかるはず)で、「ガイドブックが欲しいのですが」と声をかけてみてください。『公式ガイドブック』(500円)と『愛犬と楽しく泊まろう ペット泊ガイド』(500円)を各日150名にプレゼントしてくれます。先着順で、もうだめかな?と思っても、まだあるかもしれないから諦めずにとりあえず聞いてみてください。

さらに最後にもうひとつお得な情報。2/4(土)5(日)の2日間限定で、幕張メッセそば「イオンモール幕張新都心」の一部駐車場に無料で駐車できます

とりあえず夢のようなゴージャスなキャンカーを見るのでもよし、犬仕様のキャンカーを研究するのでもよし、そのあと保護犬に会いに行くのでもよし、保護猫トレーナーハウスを覗きに行くのでもよし(ただし猫のお疲れ具合などにより、休憩時間がやたら長いときがあるかも。すべては猫しだいです)、動物保護団体のグッズやおやつなどを買って応援するのでもよし。かなり会場は広いし、見応えありすぎるほどなので、歩きやすい靴でご来場を。さあ、とにかく今週末は、愛犬と一緒に幕張へGO!!GO!!

おうちにて。ボーダーコリーレスキューネットワークさんの姫タラを干した手作りおやつは、クーパーがクレージーになるほど美味しいらしい

 


【主催】ジャパン キャンピングカーショー 2017 実行委員会

【後援】テレビ東京、J-WAVE、千葉県、千葉市、アメリカ大使館商務部、スロヴェニア大使館、Peace winds JAPANピースワンコ・ジャパン

【協力】Do One Goodほか


ちなみに、第4ホールには、「PEACE LIFE PEACE PET」以外にも、フードコーナーがあり、日本、アメリカetc.世界の肉料理が集結。ローストビーフ、豚丼、ロコモコ、ステーキ丼などがありますから、犬連れでもおなかがすいても大丈夫です。しかもそのフードコートは、犬同伴者と、そうでない人(犬が苦手な人?)の食べるところのゾーンも分かれているので、気兼ねなく愛犬とランチをとることができます。

ABOUTこの記事をかいた人

白石 花絵(しらいし・かえ)

雑文家、ドッグ・ジャーナリスト。夫1、子ども1、ジャーマン・ショートヘアード・ポインターのクーパー、ボクサーのメル、黒猫のまめちゃんと東京都庁の見える街で暮らす。広島修道大学法学部法律学科卒業、その後広告制作会社でコピーライターを経験したのち、公益財団法人世界自然保護基金WWFジャパンの広報室に勤務。それからフリー。「日本にすむ犬が1頭でも多くハッピーになること。日本の犬がもっと社会から理解され、市民権を得られるようになること」、そのための記事を書くことがライフワーク。著作に『東京犬散歩ガイド』『うちの犬―あるいは、あなたが犬との新生活で幸せになるか不幸になるかが分かる本』、構成・文として『ジャパンケネルクラブ最新犬種図鑑』等。