愛犬のボディバランスは大丈夫?

お散歩の時、あなたの愛犬はいつもあなたのどちら側を歩いているでしょうか?
「左側」と答える人が多いのではないでしょうか。

様々な団体が主催するオビディエンス(服従訓練)の競技では、たいがい犬はハンドラーの左側を歩くというのが規定で決まっていますし、おそらく多くのトレーナーさんたちは、「犬は人間の左側を歩かせましょう。」と飼い主さんたちに教えていると思います。

ただ、オビディエンスの競技会に出るのでなければ、別にハンドラーの右側を歩いてもいいのです。なぜならハンドラーの利き手によってリードの持ち方も変わってくるので、左側にこだわる必要はありません。要は、車や自転車、人とすれ違ったり、やり過ごしたりするときに、遠ざけたい対象物と愛犬の間にハンドラーがいるようにしてあげれば、思わぬ事故は防ぐことが出来るからです。

左であれ右であれ、おそらく特に何も考えなければ、ハンドラーはいつも同じ側に愛犬をつけて歩いている確率が高いのではないでしょうか。愛犬がいつも右に行ったり左に行ったりふらふらしていれば、何かの拍子に蹴飛ばしてしまったり、小型犬の場合は踏んでしまったりということも起きかねません。

気づかないうちに崩れているボディバランス

人間でも夫婦や親子で並んで歩くとき、いつも同じ側に体が自然と行ってしまったりすることはありませんか?手をつなぐにしても、腕を組むにしても、落ち着くのでいつも同じ側に立ってしまったり、あるいは、ご自宅でテレビを観る時、映画館のように椅子が画面の方を向いていればいいのですが、ダイニングだったりすると、テーブルを囲んで家族が座るので、いつも同じ方向に首を回してテレビを観てしまっているなんてことがあると思います。
習慣だから落ち着くと言うのもありますが、長年続けていると、体は少しずつ曲がっていきます。

実は私の自室、デスクの右側にテレビがあるのですが、ずっと画面を見ていなくてもいいようなニュースなどはテレビを点けたままで仕事をして、何か気になるたびに首を右に回していたところ、やはり片方にしか首が回らない状態になってしまいました。そこで、デスクに鏡を置いて反射させて観ることにしたら首もだいぶ楽になってきました。もちろんそれで完治するわけではありませんが、それ以上ひどくなることは防げます。

同様に、犬たちもいつも同じ側にいて、下からハンドラーを見上げるような姿勢を取っていると、同じ側の方に首が傾き、自然とボディバランスが狂ってきたりします。場合によってはハンドラーと反対側の後ろ足の方が強くなってしまったりすることがあります。

ウチの犬はいつも自分の前を歩いているから関係ないというのであれば、ご心配は要らないないかもしれません。っが、人間より前を歩いていると、別の危険と鉢合わせする可能性もありますので気をつけて下さいね。

ドッグダンスでは、パートナー犬を単独で後ろに下げる「バック」という動きを教えますが、その時犬がいつも同じ方向に曲がって行ってしまうようであれば、ボディバランスの崩れを疑うことが出来ます。
なぜなら、強い方の後ろ足に押されて愛犬が曲がっていくことが多いからです。

アンバランスの解消方法

そんな時にやって欲しいのがいつもと反対側に愛犬を付けて歩くことです。

ドッグダンスではパートナー犬とハンドラーの位置関係がいくつかあるのですが、基本は左右のヒールポジションです。
オビディエンス(訓練)をやっていると、ついつい左側ばかりに犬を付けて歩くようになるので、それが当たり前になってしまいます。しかしドッグダンスでは左右のポジションそれぞれにキューを付けてポジションチェンジが行えるので、普段の散歩で道路が狭かった時など、犬の位置(ポジション)を変えて車や自転車などを避け、犬の安全を確保できるメリットもあります。

また、ドッグダンスのトリックには「スピン」や「アラウンド」など動きがあります。
「スピン」は犬だけが単独でその場で回転する動きで、「アラウンド」は犬がハンドラーの周りをぐるっと回る動きです。
これらの動きは、左右のヒールポジションと同じで、右回りと左回りがセットになっています。片方だけ教えるのではなく、両方を教えることで愛犬のボディバランスはとてもよくなります。

人間に利き手や利き足があるように、犬にもよく使う側が必ずあるので、是非いろいろな動きを教えてあげて、ボディバランスを良くしてあげましょう。

また、最近ではバランスボールやバランスディスクなど、犬たちの体幹を鍛える方法も広まってきています

2016年7月開催のバランスボールワークショップから

無理矢理やらせるのではなく、犬が好奇心からトライできるように誘導してあげると、愛犬も楽しそうにやってくれますよ。

ABOUTこの記事をかいた人

三井 惇

ドッグトレーナー(CPDT-KA) ボーダーコリーと出会ってから生活が一変し、現在4頭目と5頭目のボーダーコリーとドッグダンスやオビディエンス(服従訓練)を楽しむ一競技者。