早いもので2016年も間もなく終わりを迎えようとしています。
そこで、『INU MAGAZINE（イヌマガジン）』編集部では、2016年という１年を代表する犬のためのヒット商品について、ペット業界の目利きの皆さんに聞いてみました。
ペット業界の目利きの皆さん
今回、アンケートにお答えいただいたペット業界の目利きの皆さんはこちらの方々。2016年の世相を表す商品や、話題性、実際の売れ行き状況などから商品カテゴリごとにヒット商品を教えていただきました。
小川 類 さん
株式会社ONE BRANDにて、犬と暮らすライフスタイルマガジン「ONE BRAND」編集長を今年7月まで務め、その後同社がオープンした“犬と私のライフスタイルセレクトショップOBOL”の編集長を担当。プライベートでは10歳のトイプードル・モコスのほかダンナ一人、娘一人と暮らす。
柏木 克哉 さん
メサゴ・メッセフランクフルト株式会社、広報担当。ペット関連グッズから自動車、住宅、IT、家電、レジャー・観光など、ペットとの暮らしを豊かにする商品やサービスが集結する日本最大級のペットイベントである「インターペット～人とペットの豊かな暮らしフェア」を2011年に立ち上げる。
中嶋 陽子 さん
GREEN DOG 通販部門のバイヤーとして、新商品の探索や導入、取扱いブランドの販促企画、在庫管理などを担当しています。 黒ラブラドールのココア（5歳、女の子）とハリネズミのウニちゃん、インドホシガメのヨメちゃんとロクとともに暮らしています。 犬猫だけでなく、爬虫類含む動物全般が大好きです。
三神 大 さん
国内外問わず“犬と飼い主にとって本当にいいもの”を探し続ける。動物関係の専門学校を卒業後、東急ハンズのペットグッズバイヤーになる。仕入れから販売までを行ないながら「犬と飼い主の豊かな生活」の提案を始める。その後、犬と一緒に楽しめる レストランを立ち上げ運営。2005年にペットグッズ、フードの製造・卸売・販売とペット事業に特化したコンサルティングを行なう『アソボラボ』を設立。 また、2008年より動物関連の専門学校で講師として未来のペット業界人の育成に励む。
グッズ部門
リュック型ペットキャリー「ＧＲＡＭＰ（グランプ）」
画像出典：https://onebrand.jp/
熊本震災により、災害に対する意識がより一層、高くなった2016年。犬と暮らす身としては、災害時に大切な愛犬と一緒に避難できるのだろうか、その準備は…と考えさせられたという方も多いのではないでしょうか？ リュック型ペットキャリー「ＧＲＡＭＰ（グランプ）」は、被災の経験から生み出したというこだわりが詰まったアイテムです。
中嶋さん「一緒に逃げられるだけでなく、避難所でも愛犬の居場所を確保できるケージ機能が一体となったリュック型のキャリーバッグです。一家に1台は欲しい必需品です。」
小川さん「この商品は『いざという時のために、毎日使う』というコンセプトがとても素敵。『いつもと同じ』が一番安心するペットたち、家で使っているケージがそのまま避難用ケージになるのは飼い主にとっても心強いですよね。ちょっと大きめですが背中に背負ったりもできて、画期的です。」
健康手帳 WANderful Life
画像出典：http://www.green-dog.com/
「こんな手帳が欲しい！」という愛犬家の声を詰め込んだGREEN DOGオリジナルの連絡帳兼母子手帳です。愛犬の性格、お世話のポイント、病歴やワクチン歴などの情報を記載しておくことで、いつ誰が見ても接し方がわかるようにしておくことができます。
中嶋さん「パートナーの基本情報から病歴、ワクチン歴などが書き込めるので、もしものことがあった時やペットホテル等誰かにお世話をお願いすることになったときに役立ちます。お客様からはこんな1冊欲しかった！というお声の他に、パートナー（愛犬）との暮らしを見つめ直す良いきっかけになったというお声も頂戴しており、新しい価値を提供できた商品になりました。」
エアバギー ブレーキモデル ドーム S PLUS MODEL
画像出典：http://www.asobolabo.com/
ベビーカーの世界的な安全基準であるEN[ European Norm ]：欧州標準化委員会発行の欧州統一安全規格に適合した、AirBuggy for Dog・DOMEシリーズの新作。全面オールメッシュのルーフ、持ち運びの便利なハンドル等、小型犬と暮らすのにうれしい機能を搭載しています。
三神さん「小型犬に特化したエアバギーの最新作です。お出かけ先のお部屋での使用や車での移動の際にも便利です。」
おやつ・フード部門
「ヘルマン（Herrmann）」の“ビオ（Bio）フード”
画像出典：http://www.green-dog.com/
「ヘルマン（Herrmann）」は2016年7月に日本に上陸したドイツの “ビオ（Bio）フード” ブランドです。“ビオ（Bio）” とは、日本語で「有機」、英語で「オーガニック」という意味。「安心」「安全」「無農薬」というイメージが浮かびますが、「ヘルマン（Herrmann）」がこだわる “ビオ（Bio）” は、それより一歩も二歩も進んだ新しい考え方です。
中嶋さん「単なる有機ではなく、原材料となる動物たちの心と身体の健康をいちばんに考え、大事にして育てられた動物を選択することに強いこだわりを持ったブランドです。この “ビオ（Bio）” の考えに加え、愛犬の食いつきも抜群！ということでGREEN DOGの大ヒット商品にまで成長しました。」
北の極みデリカテッセン
画像出典：http://www.kitanokiwami.com/
全て北海道産のエゾシカや鶏肉、鮭といった厳選素材を使用し、無添加で品質にこだわった愛犬用フード「北の極みデリカテッセン」。
柏木さん「ここまでやるか!?と思いましたが、さすが、食いつきは抜群です。」
【オリジン】フリーズドライトリーツ フリーランダック
画像出典：https://onebrand.jp/
原材料の栄養分と風味はそのままのフリーズドライ製法により作られた天然肉100%の愛犬用おやつです。原材料にピュアでナチュラルなカナダ産鴨肉を100%使用し、保存料は一切使用していません。
小川さん「実は私の愛犬モコスは夏に癌を発症し今も闘病中。原材料がお肉主体のおやつを探していたところ出会った商品です。粒が手でほろほろ崩れる柔らかさなので、中に錠剤の漢方を隠して与えたり、崩してフードにトッピングしたりと重宝しています。」
ケア・健康部門
シルクの泡シャンプー
画像出典：http://www.asobolabo.com/
毎日のお散歩帰りの愛犬の足裏、洗うのが正直ちょっと大変…という方もいらっしゃるのではないでしょうか？そんな方にオススメの水のいらないシルクの泡シャンプー。天然由来の成分のみで作られているので、安心してどこにでも使えます。
三神さん「愛犬と一緒におでかけやドライブに行くことが多くなりましたが、常に土足の愛犬たちのお手入れは気になりますよね。舐めても安心な洗い流さないシャンプーは毎日でも使えて画期的！愛犬に負担をかけずにきれいにしてあげられるので、寝たきりの子にも使え、老犬介護の現場でも活躍しています。」
【FLORA × OBOL】メンタルジェル
画像出典：https://onebrand.jp/
東洋医学やメディカルアロマ療法で知られるアニマルケアサロンで実際に処方されているメディカルアロマジェル。優しいフローラル系の香りとハーブの効能と相まって愛犬のドキドキ（興奮や不安）を抑える効果が期待できます。
小川さん「獣医師でありアロマテラピストの先生とONE BRANDで共同開発した愛犬用のメンタルジェル。耳の内側に少し塗ってあげることで、病院やお留守番など、ドキドキしちゃうシーンでも落ち着くことをお手伝いするジェルなのです。OBOLでも多くのお客様にご購入いただいている人気商品です。」
ペット用歯磨きジェル「歯にマヌカ」
画像出典：http://www.green-dog.com/
ハチミツの女王「マヌカハニー」に超微粒子の銀のサプリメントを配合した歯磨きジェル。コクのあるハチミツ味だから、おいしく愛犬のお口のケアができます。
中嶋さん「2016年3月に発売して以来、GREEN DOG全店で累計2,600個以上売り上げた大ヒット商品です！抗菌効果の高いマヌカハニーを50%も使用し、はちみつの味を存分に味わいながらおいしく歯のケアができます。歯磨きが苦手な子でも嫌がらることなくケアすることができますよ。」
サービス部門
ホリスティックグルーミング
画像出典：http://www.green-dog.com/
これまでの「グルーミング」は、犬の視点を無視し、嫌がることを力づくで行い、グルーミング嫌いのパートナーを作りだしてしまうこともありました。犬にとってのグルーミングとは、「かわいらしくすること」だけではなく、愛犬の心や身体の健康を維持するためのケアのことという考えのもと、GREEN DOGが積極的に取り組んでいるグルーミング手法が「ホリスティックグルーミング」です。
中嶋さん「ホリスティックグルーミングとは、犬に負担をかけず、パートナーの真のかわいらしさを引き出すGREEN DOGで積極的に取り組んでいるグルーミング手法です。かわいさ重視だった従来のグルーミングの考えを見直し、いかに犬に負担をかけないかを追究しています。」
犬コン
画像出典：http://onebrand.co.jp/
犬好きなら「パートナーも犬好きじゃなきゃ！」という愛犬家のためにONE BRANDが出逢いを応援！犬好きのためのパーティー企画サービス。男女の出逢いはもちろん、「行ったことのない地域」や「行ったことのないお店」「お友達」「かわいい犬たち」とも出逢える会を開催しています。
小川さん「ありそでなかった、犬と一緒の婚活パーティ。犬連れ女子と、そんな女子が好きな男子の出会いの機会を作るイベントサービスです。これまでに何組もカップルが誕生しています。犬コン登録会員はなんと女子率90％！2017年、いい出会いを求めている皆さんはぜひ犬コンに参加してみてくださいね。」
アプリ・WEB部門
ドコノコ
画像出典：https://www.dokonoko.jp
糸井重里さんが主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」の18周年に合わせてデビューした犬猫好きの人にとってうれしいアプリ「ドコノコ」。
中嶋さん「一番のメリットは災害時の避難所の登録ができることと迷子になったときに地域のわんことしてみんなに知らせてくれる機能があるところです。今まではチラシを配ったり、貼ったりするぐらいしかできなかったことをWEBやアプリを使って簡単にできるようになりました。またご近所のわんこたちを知れることで親しみが湧くこと、自分の愛犬のカレンダーが作れること、犬猫たちの写真をたくさん見られるところも楽しみのひとつです。」
柏木さん「糸井重里さんの企画・監修にしては、まだ “まあまあ” かなぁ。今後の展開に期待！」
ウンドッグ
画像出典：https://unlog.me/undog
「ウンドッグ」は愛犬のうんちを観て、健康管理をサポートするアプリです。愛犬のうんちや食事、散歩のログを家族で共有したり、ワクチン接種やブラッシングといった愛犬のケアを忘れないようにTODOリストを作成することも。
柏木さん「家族間シェアもできて、今までで一番便利。だったが、すぐフリーズするようになった。。アップデートに期待！」
異業種部門
全日空「ワンワンフライト」
画像出典：https://www.ana.co.jp/
愛犬との飛行機旅行では、愛犬を客室へ連れていくことはできず、ケージに入れて貨物室に乗せるというのが一般的。そのため、愛犬と一緒の遠出には二の足を踏んでしまっているという愛犬家の声に応え、2016年3月（実施は5月）にANAグループからリリースされた、愛犬も一緒に客室内で過ごせるツアー「ワンワンフライトin北海道」。
柏木さん「色々と制限はあったけど、今年一番びっくりしました。」
三神さん「空の旅を愛犬と一緒にできるなんて本当に夢のよう。特別なことではなく、日常的に公共の交通機関でも愛犬と共にできたらいいですね。愛犬家のマナーも問われるので意識していきたいですね。」
オリックス・バファローズ「Bsペットデー2016」
出典：http://www.buffaloes.co.jp/
2016年4月にオリックス･バファローズ 対 埼玉西武戦のほっともっとフィールド神戸にて開催されたペットと一緒に野球観戦ができる「Bsペットデー 2016」。普段は選手がプレーをしているグラウンドをペットが散歩という特別なイベントも企画されました。
柏木さん「ご担当の方は苦労したらしく、相当くたびれてましたが（笑）、結果的には大成功でしたね。」
いかがでしたか？皆さんも注目していた！使ってみた！という商品やサービスは含まれていたでしょうか？
熊本震災によって防災意識の高まった2016年は、「ＧＲＡＭＰ（グランプ）」や「ドコノコ」、「健康手帳 WANderful Life」のように、“愛犬のため、もしものときに日頃から備える” というコンセプトのもと企画開発された商品やサービスに注目が集まったようです。
全体感としては、大切な家族の一員としての愛犬のためのプレミアムで本物志向な商品やサービスが更に豊富かつ多様に取り揃えられてきた印象がありました。また、従来のペット業界という枠を超えて、糸井重里さん（愛犬家としても有名ですが）や全日空、オリックスバッファローズといった様々な分野の方々が愛犬との暮らしやすい社会の実現に向けたサービスを展開してくれているのは嬉しい限りです。
ペット業界の目利きの皆さん、年の瀬のお忙しいなか、ご協力ありがとうございました！
2017年も皆さんが愛犬との素敵な思い出をたくさん作れる一年になりますように。
